ダーマローラーとCO2レーザーの違いを科学する

ダーマローラーという治療をご存知でしょうか。ローラーの上に小さな針がたくさん付いていて、そのローラーを肌で転がすことによって皮膚を刺激し、若返らせるという治療法です。若返りだけではなく、にきび跡や腕や背中の赤いブツブツなどに対して、10代への治療としても使用する場合があります。

original-dermaroller-image1

赤みや痛みなどのダウンタイムがありますが国内外問わず人気の治療で、美容クリニックでも行われているのですが、1回数万円の治療費が必要なクリニックも少なくなく、治療内容と効果の割には非常に高額な治療だと感じています。

今回は、ダーマローラーについて正しい知識を知っていただき、効果的な治療を妥当な値段で受けていただくにはどうすれば良いかということについて書いてみたいと思います。

439114e2c5a4c07e3719c60c31ed4bb6_s

ダーマローラーで期待できる効果

ダーマローラーによって期待できる効果は下記の通りになります。

毛孔性苔癬(毛孔性角化症)

二の腕の毛穴などが赤くブツブツしている状態です。毛穴が栓のようなもので詰まっている状態ですので、ダーマローラーの針で取り去ることで改善します。同様にケミカルピーリングなどでも改善する場合があります。CO2レーザーの方が早く、少ない回数で綺麗に改善します。

にきび跡

にきび跡などの凸凹を改善させる効果があります。にきび跡でも赤みには効果がありません。針を刺して一時的にダメージを与え、その回復過程で皮膚が平らに戻っていきます。CO2レーザーの方が早く、少ない回数で綺麗に改善します。

毛穴

目立つ毛穴にも引き締め効果があると言われていますが、実際にはそこまで大きな変化が出るケースは少ないようです。CO2レーザーやヤグレーザーの方が効果的です。

ダーマローラーはCO2レーザーに勝てない

以上のように、ダーマローラーは入口的な治療であって、効果の強さや高さを考えた場合にはCO2レーザーよりも優れている部分は残念ながらありません。ダウンタイムもCO2レーザーとダーマローラーは大差ないと言われています。1回1万円以下の治療であればダーマローラーをクリニックで受けるのも良いと思いますが、数万円支払うのであれば間違いなくCO2レーザーを使用した方が費用対効果は高いはずです。ダーマローラーを選択する場合には、そういったコスト面にも注意してください。

実は自宅でも治療ができる!?

日本では個人使用に限ってのみ、海外から未承認の医薬品・材料を個人輸入することが認めらています。(厚生労働省のHPはこちら)ですので、ダーマローラーは個人輸入さえしてしまえば、自宅で自分で治療を行うことも可能です。安いものだと2000円くらいから見つけることができます。

個人輸入には安い分だけ相応のリスクも付いて回りますので、安易な個人輸入と自己治療を推奨しているわけではありません。特に医薬品に関しては安全性や効果の面でトラブルをたくさん見かけますし、死亡例も出ていますので絶対的にお勧めできません。ただ、今回のダーマローラーのようなものは、メリット・デメリットを正しく評価できるのであれば自分でトライしてみるというのも一案だと個人的には思っています。

ダーマローラー使用上の注意点

クリニック・自宅問わず、ダーマローラーの治療を受けるにあたっては、いくつかの注意点があります。皆さんの肌を守るためにはとても大切なことですので、必ず守るようにしてください。

安全なものを使うこと

クリニックによっては、血の付いたダーマローラーを消毒して、何回も使いまわしている場合がありますので注意が必要です。自分専用とは言え、一度血の付いたものを何回も使用することへの生理的な抵抗感や衛生面などでの問題、さらには別な人との取り間違えのリスクなどを考えると、そういったクリニックでの治療は避けたいですね。何回も使えば針の切れも悪くなりますので、効果が落ちるだけではなく、痛みも増すはずです。目の前で新品を開封し、毎回使い捨てで治療をしてくれるクリニックを必ず選ぶようにしましょう。

自宅で治療を行う場合でも、基本はダーマローラーを使い捨てとして再使用はしないようにしてください。もちろん友人間・家族間での使い回しも厳禁です。そして、購入するものも値段だけで決めずにある程度信頼性の高いものを選ぶようにしてください。目安としてはFDA(米国)、CE(欧州)、KFDA(韓国)などの公的機関が一定レベルの品質を証明してくれているものなどが良いでしょう。

正しく使うこと

ダーマローラーは症状や部位によって針の長さの選択やローラーを往復する回数などが違います。やりすぎは効果を高めるよりもダウンタイムやトラブルなどのデメリットだけが急激に増してしまいます。もちろん足りなければ効果は全く期待できません。また、麻酔の前処置や終わった後のケアなども大切です。そのあたりに不安がある方は、自分では行わずにクリニックでCO2レーザーを受けるようにしてください。

アフターケアを忘れないこと

自分自身でお手軽にできる治療ではありますが、医療機関で行われているくらいのダメージを肌に与える治療でもあります。アフターケアは治療以上に大切なものですので、日焼け対策や乾燥対策、傷が落ち着くまで清潔に保つなど、過剰なくらいのケアをするように心がけてください。日焼け対策は塗り薬が痛みでしんどいと思いますので、ヘリオケアなども上手に利用すると良いと思います。乾燥対策はたっぷりの化粧水やヘパリン類似物質のローションなどがお勧めです。できれば乳液は控えた方が良いでしょう。治療後に清潔に保つには消毒を繰り返す必要はなく、水洗いや石鹸などで優しく洗ってあげれば大丈夫です。

CO2レーザーが治療の王道

フラクショナルCO2レーザーという治療をご存知でしょうか。炭酸ガス(CO2)レーザーを蜂の巣状に照射することで肌への若返り効果を期待するものです。肌に細かく小さな穴を開けて効果を期待するという点で、メカニズム的にはダーマローラーと同じだと言えますので、ダーマローラーで期待できる効果は、全てCO2レーザーでも効果が期待できます。

さらに、CO2レーザーの場合には穴を開けるのと同時に熱エネルギーを加えることも可能です。熱のかけ方も腫れや赤みを最小限にする少ない方法から、ダウンタイムは考えずに効果を最大限に期待する強い方法まで、自在にコントロールすることが可能です。若返りにとって熱を加えることはマイナス要素がありませんので、一緒に熱を加えられるCO2レーザーの方が効果は間違いなく高くなります。

CO2レーザーの方がダウンタイムが大きいと言っている医師もいます。確かにそれぞれを標準的な方法で使った場合には、CO2レーザーの方がダウンタイムが強く出る場合が多いですが、その分だけ効果も高まっていますので、一概にCO2レーザーの方がタウンタイムが強いとは言えません。もしダーマローラーと同等の効果をCO2レーザーで出すのであれば、圧倒的にCO2レーザーの方がダウンタイムは少ないです。

ダーマローラーを強く勧めている場合には、CO2レーザーに対しての知識が不十分だったり、CO2レーザーの機器が高額のため導入できないためにダーマローラーの優位性を強調しているなどの理由を疑うことになります。CO2レーザーは高額機器の割にはニーズが決して多くなく、なかなか導入に踏み切ることができないクリニックも少なくありません。そんな中で導入しているクリニックであれば、肌の状況を正しく判断してベストな提案をしてくれることでしょう。ダーマローラーの治療を受ける場合には、CO2レーザーもラインナップに揃えているクリニックでの相談・治療をお勧めします。

キルシェクリニックができること

東京都港区赤坂にあるキルシェクリニックでは、フラクショナルCO2レーザーの治療を行っています。また、ダーマローラーは公式メニューとしては導入していませんが、ご希望のお客様には随時対応しております。導入している機器はCO2レーザーの中でも高出力でレーザー照射できる、ルートロニック社のeCO2(エコツー)になりますので、ダウンタイムをできるだけ短くしてお手軽に治療できるモードから、高い効果を最優先として照射するモードまで、カウンセリングでのご希望を反映で記すよう細やかな対応をしています。価格もお顔全体14,800円(税別)からと、チャレンジしやすい設定としております。

院長自身は大手美容外科時代にCO2レーザーの照射経験が多数あり、そのこだわった数値設定や照射方法による効果の高さから、スタッフの施術依頼が最も多かった医師でした。そのくらい得意としているレーザーですので、安心してご相談いただければと思います。

9b47d38858c7b6f8eec13b38de2e6c1d_s