肝斑という特殊なシミをご存知でしょうか。30代から40代の女性のお顔に多く見られ、ホホ骨のまわりや額、口まわりなどに左右対照にできることが多いシミです。通常の日焼けによるシミと同じ治療をすると濃くなってしまう場合のある、注意が必要なシミの一種です。
一昔前の肝斑治療というと内服薬がメインでしたが、最近はレーザートーニングと呼ばれるレーザー治療も主流になりつつあります。レーザートーニングによる治療が始まる前には肝斑にレーザーを当てることは禁忌（きんき・やってはいけないこと）になっていました。どうしてレーザーでの治療ができるようになったのでしょうか。
今回は、肝斑について軽く勉強をしながら、なぜレーザートーニングが肝斑に有効なのか、そして肝斑の治療をレーザートーニングで行う時の注意点などをまとめたいと思います。
肝斑がなぜ起きる？
さまざまな原因があると言われています。妊娠や経口避妊薬（ピル）の内服で肝斑が新たに発生したり悪くなる人が多いことから、女性ホルモンのバランスが崩れることが原因の大きなものとして考えられています。それ以外にもお化粧で強く繰り返しこすることや日焼けをすることなどの直接刺激、ストレスによる体調の変化なども原因として疑われています。
レーザートーニングとは
ヤグレーザー（yag）というレーザーを弱く照射することで、肝斑の原因となっているメラニンを少しづつ壊して減らしていくという治療です。ヤグレーザーは黒いものに反応して熱を発生させ、その熱エネルギーで狙った部分を壊して治療をしていますので、肝斑の原因となっているメラニンにも反応して徐々に肝斑の色が薄くなっていきます。
レーザーの出力が弱いため周りへのダメージを与えることなく治療ができますので、肝斑を悪くさせることなく安全に治療することができると言われています。ポイントは「弱い出力」「周りにダメージを与えない」という部分になります。あとで説明しますので覚えておいてください。
1回の治療時間は15分くらいで、ダウンタイムと呼ばれる赤みや腫れもほとんどなく、直後からのメイクも可能ですのでお手軽に治療することができます。治療回数は肝斑の広さや濃さなどにもよりますが、2週間に1回のペースで10回から20回くらい必要になります。
レーザートーニングもメラノサイトに刺激を加える
レーザートーニングが肝斑に対して安全に治療できることは間違いありませんが、レーザー治療である以上はメラニンの黒さに反応して必ず熱が発生します。この熱が溜まり過ぎると狙っているメラニンだけではなく周りの組織にも熱エネルギーが伝わってダメージを与えることになります。周りへのダメージで一番怖いのは、メラニンを作っている「メラノサイト」に対して刺激を与えてしまい、肝斑の原因であるメラニンをたくさん作り出してしまうことです。
ですので、上にも書きましたが「弱い出力」で「周りにダメージを与えない程度」の治療を行うことが大切です。レーザートーニングで使用している弱い出力でも、長時間たくさんのレーザー光線を照射すると熱エネルギーが蓄積して周りへの有害なダメージの方が大きくなってしまい、特にメラノサイトが刺激に対して敏感になっている肝斑では注意が必要です。「薬も過ぎれば毒となる」わけです。
肝斑にはできるだけ軽いレーザー治療を
以上のことより、レーザートーニングの基本は「弱い出力」「軽く照射」「回数で治療効果を出していく」です。1回の治療でたくさん効果を出したいからといって照射時間を長くしてしても良いことはありません。
クリニックによってはレーザートーニングの治療をお顔全体に細かく・何回も繰り返して・たくさんの時間照射して行っている場合があります。医学的観点から見ると、それは提供しているサービスが素晴らしいように見せているだけで、実際の治療効果としてはマイナス面の方が圧倒的に大きいのです。おそらく、ヤグレーザーによる一般的な美肌治療と肝斑に対するレーザートーニングのメカニズムや治療方法の違いが理解できていないことによるものと思われます。肝斑治療と一般美肌治療は全く異なるものなのです。
丁寧な施術は必要ですが、広い範囲で細かく何度も照射したり長時間照射することには医学的な意味はありません。できるだけ短時間で必要最小限の範囲に必要最小限のレーザーを照射することが、肝斑に対するレーザートーニングでは最も安全に治療効果を出すことができる方法です。
キルシェクリニックができること
東京都港区赤坂にあるキルシェクリニックでは、ヤグレーザーを用いた肝斑治療や一般美肌治療を行っています。肝斑に関しては、頬のみでも治療を行っており、できるだけ肝斑にダメージを与えずに悪くさせないような方針で治療を行っています。
毛穴やたるみ、シワなどの一般美肌治療についてはできるだけ広い範囲を細かく丁寧に繰り返してレーザー照射するように心がけており、しっかりと肌全体に熱を加えることによってより高い治療効果が出るようにしております。
値段に関してもチャレンジしやすいものとしており、頬のみのレーザートーニングが7,800円（税別）から、広い範囲を細かく照射する一般肌治療でも14,800円（税別）です。約1時間かけて肌をしっかりと若返らせるフルコースでも29,800円（税別）とお得な価格設定としております。