目の下のクマ治療を科学する

目の下のクマが気になっていらっしゃる方、実はとても多いんです。カウンセリングに別な治療のご相談でお越しいただいている場合でも、目の下にクマが目立っていらっしゃる方は少なくありません。そんなお客様に「目の下が少し気になりませんか?」と質問すると、多くの場合には「ずっと前から気になっていました!」というお返事がかえってきます。

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今回は実は気にしていたけれど、どう直して良いのか分からなかったという方に向けて、クマの種類や起きる原因、それぞれの治療方法など、クマについて科学的に掘り下げていきたいと思います。

クマの種類

目の下のクマには大きく分けて4種類のものがあり、それぞれに別な原因があります。また、複数のクマが混ざっているケースも多いですので、クマの種類を正しく判断して効果的な治療を行うためには深い知識と幅広い経験が必要となります。

黒クマ

一番見かけるタイプのクマです。光の陰影で影が見えている部分=クマなので、下から光が強く当ててみると見えなくなります。目の下は骨、筋肉、皮膚などが複雑に入り組んでいて解剖学的に完全に平らにするのが難しい場所ですので、様々な理由がきっかけで凹凸が出てきてしまいます。目の下の脂肪、涙袋、たるみやシワなどが凹凸の原因に隠れていることが多いですので、それらの凹凸を改善させることで目立たなくなります。

赤クマ

黒目の真下から内側にかけて、うっすらと赤く見えるクマで若い方に比較的見られることが多いクマです。目の下の皮膚はとても薄いため、皮膚の下にある眼輪筋(がんりんきん)という筋肉の赤い色が透けてしまっているのが原因です。筋肉の色を透けさせないために皮膚と筋肉の間に脂肪注入することで改善します。

茶クマ

色素沈着といって、皮膚に色がついてしまっている状態です。お化粧や日焼けなどの刺激によって起きてしまった可能性が高いです。クマを隠すためにお化粧のために一日に何度もこすることによってどんどん悪くなっていくケースも少なくありません。できるだけ刺激を加えないようにするだけでも徐々に改善していきますが、早く治したい方には塗り薬や飲み薬などが有効です。

青グマ

目の下の皮膚の血流(血のめぐり)が悪い状態です。温めたりマッサージしてあげることで簡単に改善する場合が多いですが、根本的な改善を希望される場合には、美容外科的な治療が必要な場合もあります。

クマの治療方法

クマの種類のところで軽くだけ書きましたが、それ以外にも目の下の治療方法はたくさんあります。ここではよく選ばれる治療法それぞれについて詳しく説明していきたいと思います。

目の下の脂肪を取り出す

黒クマと赤クマに有効で、効果や変化感のしっかりと出るとても良い治療法です。

目の下には脂肪の袋があり、その中の脂肪が多くなったり袋が弱くなったりすることで膨らみが目立つようになってきます。膨らみが強ければ強いほど下側に影ができやすくなり、大きな黒クマとして認識されてしまいます。顔がむくんだときだけクマが目立つ場合なども、目の下の脂肪が水分で膨れた結果としてクマになっているということが考えられます。

また、膨らみが強いということは内側から押し付けられている力が強いとうことになりますので、筋肉が皮膚に向かって押し付けられ、筋肉の赤い色が皮膚から透けてしまって赤クマになっています。

黒クマ、赤クマいずれの原因であっても、目の下の脂肪を取り出すことで凹凸や圧迫を少なくし、クマが改善する場合が多いです。目の下の結膜(アッカンベーすると見える赤い部分)を少しだけ切って、その部分から取り出してくるので傷は外から見えません。脂肪を取った時に一緒にたるみ対策も行うことができるので、たるみが気になる方にも効果的な治療法です。

治療時間は慣れているドクターだと20〜30分、傷は縫う必要がない大きさなので当日のみで治療を完結させることも可能です。治療後コンタクトレンズを最低2日間、できれば1週間控える必要がありますが、シャワーやお化粧などは当日からしていただけますし治療後の痛みもほとんどないので、ほんの少しだけ勇気を持っていただければチャレンジしていただける治療法だと思います。

目の下の脂肪注入

赤クマに有効な治療法です。

目の下の皮膚と筋肉の間に自分の脂肪を注入して厚みを出し、筋肉の赤い色を透けにくくしてあげる治療です。脂肪は自分のお腹や太ももから少量だけ採取し、局所麻酔で1時間程度の治療です。

効果的ではありますが、比較的ストレスのかかる治療になります。目の下の脂肪を取り出してみて、それでも赤い色が気になるようであれば最終手段として考えれば良いと思います。

目の下の注射による治療

細かいシワ、ちりめんジワによる黒クマに有効な治療法です。

血小板注射(PRP)と呼ばれる自分の血液から精製した注射、ボツリヌストキシン(ボトックス)注射やイデバエと呼ばれるアンチエイジング系の注射、FGFと呼ばれる細胞の増殖を促す注射などがあります。その中で、FGFと呼ばれる注射は、どのような反応が出るか分からず時にとても強く反応して膨れてしまうことがあり、元に戻すこともできない治療なので受けるかどうかには慎重な判断が必要です。また、血小板注射(PRP)は単体では効果が高くないためにFGFを混ぜて効果を増やしているクリニックもありますので、こちらも注意が必要です。個人的にはイデバエによる治療をお勧めしています。

肌再生医療

細かいシワ、しりめんジワ、青クマに有効な治療法です。

自分の耳の後ろあたりの目立たない部分の皮膚を米粒くらいの大きさだけ少し切り取って培養し、数ヶ月後に約1万倍に培養された肌細胞を注射して戻してあげるという近年とても注目されている治療です。手間がかかる分だけ費用も安くはありませんが、安全性が高く目の下の小ジワに対しての治療効果は抜群に良いものです。お顔全体のアンチエイジングにも使える治療法なので、目の下の治療と一緒に全体的に若返りたいという方にお勧めできる治療です。

ヒアルロン酸

一部の黒クマに効果的な治療法です。

実はそれほど適応が広い治療ではありません。黒クマの中でも効果的なのは30%くらいの方だけなので、お手軽な分だけ人気がありますが適応をしっかりと選ばないと効果が薄く、むしろ膨らみが強調されてしまう場合もあるので注意が必要です。中顔面全体のたるみが原因で眼窩(頭蓋骨で目が入る骨のないスペース)との間でくぼみが出ている場合などには有効なので試してみる価値があると思います。ただ、その場合にも根本的にはたるみ治療が優先して必要な状況であることは頭に入れておかないといけません。

そのほかの治療

レーザーによる肌表面の小ジワ治療、目の下の脂肪を取り出さずに移動する手術(ハムラ法)、1年くらいで溶ける髪の毛くらいの太さの糸を入れる方法、たるんだ皮膚ごと切り取ってしまう手術など色々とありますが、一般的にはあまり選ばれない治療です。

まとめ

以上のように、原因も治療法もさまざまなので、まずは経験豊富なクリニックでカウンセリングを受けることをお勧めいたします。カウンセリングを通して、ご自身のクマがどのクマであり原因が何であるかを把握して効果的な治療を選ばれてください。

キルシェクリニックができること

東京都港区赤坂にあるキルシェクリニックでは、クマ治療に力を入れています。目の下の脂肪取りはできるだけ小さい穴から広い範囲の脂肪を取り出すことを心がけており、効果を最大限に出しつつもできるだけ日常生活に支障が出ないような配慮をしています。

目の下の脂肪取り以外の治療も豊富に揃えており、ボツリヌストキシン(ボトックス)注射やイデバエ、eCO2レーザーによる治療などの軽い治療から目の下の脂肪注入まで広く対応しております。また、肌の再生医療に関しても導入を目指して準備を進めております。

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