ボトックス注射後のトラブル、3つの理由

シワ取りなどの若返り治療だけではなく、フェイスラインをスッキリさせたりワキ・手のひらの汗を抑えるなど様々な治療で使われているボトックス注射。一般的にはボトックス注射と呼ばれていますが、正式名称はA型ボツリヌス毒素(ボツリヌストキシン)で、ボトックスはその中で一番有名な商品名です。

そんな守備範囲の広いボトックス注射ですが、数年前から保険証を使った保険治療が可能になったり、一般病院の収入源として自由診療を取り入れたりと、最近では美容外科・美容皮膚科だけではなく眼科や皮膚科、麻酔科、外科などの一般病院でも取り扱いを開始しています。

取り扱いするクリニックが増えたことに伴って、処置後の経過でトラブルや悩みを抱えている場合も増えてきました。効果が出ない、弱いというだけではなく、左右差が出る、強く効きすぎて表情が変になってしまった、イメージしていたものと違っていたなど、すぐにでも元に戻したいと希望される方も増えてきています。

今回はそのボトックス注射後のトラブルや悩みについて、3つの原因と対処法について書いてみたいと思います。もちろん皆さんの注射が満足のいくものになり本コラムを参考にしないことがベストですが、医療行為である以上は100%というものではありません。万が一の困ってしまったの時の参考にしていただければ幸いです。

※今回はわかりやすくボトックス注射で統一しますが、特定の製品に対する記事ではありません。

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トラブルの原因は「技術・説明・感覚のずれ」

ボトックス処置後のトラブルは、大きく分けて3つに分かれます。それぞれについて説明していきますので、実際にトラブルを抱えて悩まれていらっしゃる方は自分がどれに当てはまるのかチェックしてみてください。

医師の技術が未熟な場合

これが最も多い原因です。医師の技術が未熟なために均等の深さに均等の量の注射ができていない、適切な位置に注射ができていないなど、基本的な部分に問題があります。このような技術が未熟な場合でも、原因は美容外科の新人医師と、ボトックス注射を取り扱い出してから日の浅い一般クリニックという2つに分かれます。

美容外科の新人医師の場合には指導体制と症例数は豊富に揃っているけれども経験だけが足りないだけですので、半年〜1年経過するとほとんどトラブルが生じなくなるのに対し、一般病院では自費診療を受ける人数自体が少なく、開業医の場合には1人で働いている場合も多いですので、指導体制も症例数も経験も足りていないことが多いです。こういった場合には、同じクリニックで比較的長期間に渡ってトラブルが起きる可能性もありますので注意が必要です。

ボトックスは簡単なように見えて経験数がとても重要になってきますので、美容外科や美容皮膚科での処置をお勧めします。最近では「保険診療=安い」「自由診療=高い」という感覚は間違っている部分も多く、保険適応であっても比較的費用の安い自由診療の美容外科と比較すると、費用がほとんど変わらないか保険診療の方が高い場合も少なくありません。

説明不足による場合

本来、美容外科でも一般病院でも診察の際に治療のメリットとデメリットを話して、メリットが上回る場合だけ治療を行うはずなのですが、メリットの部分が強調されてデメリットの説明が足りないと、患者さんが判断を誤ってしまい、治療後にデメリットの部分が目立って気になってしまいます。また、ボトックスの効果が期待できないものに対しても効果があるような説明を受けて治療を受けた場合、治療後に症状が改善しない場合もあります。もちろん医師の知識や経験不足が原因でじゅうぶんな説明が行えていない場合もあります。

たとえば、額にシワができて気になっている場合、目の開きが悪かったりまぶたのたるみが強いことが原因で額にシワを作ることで補助している場合がありますが、そういった場合にはボトックスを額に注射して動きを止めてしまうと、目が重たい、まぶたの開きが悪いという状況に陥ってしまいます。こういった状況ではお客様がボトックスを希望されてもデメリットをしっかりと説明して治療を勧めないということが大切なのですが、営利的側面が強かったり知識不足でこういったメカニズムを知らなかった場合などには、デメリットの説明がされない可能性があります。

これらは全て、経験豊富でしっかりとメリットとデメリットを説明してくれるクリニックで治療を受けることで解決します。

受け取り方の問題

お客様は治療前からシワや汗などの悩みがあり、それを解決するためにボトックスの治療を受けるわけなのですが、治療に対する期待度の高さや期待している内容がボトックスの治療効果と一致していないなど、治療への感覚がずれが生じていた場合、「こんなはずではなかった」と感じる場合があります。過度の期待は治療への満足度を下げることになりますので注意が必要です。

この原因は新人医師、ベテラン医師問わずに生じる可能性があります。相談するときに自分の悩みや希望をしっかりと伝えて、自分の希望がどのくらい叶うのか、そして叶わないことが何なのかということを把握してから治療を行うようにしてください。

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トラブルが起きてしまったら

医療には100%という言葉はありませんので、どれだけ準備をして名医の元で治療を受けたとしても、残念ながらトラブルが起きてしまう場合があります。ボトックスでトラブルが生じてしまった、悩んでしまった場合には以下のことに気をつけてください。

とにかく早く相談すること

ボトックスの効果は1週間くらいで固定されてしまい、それが3〜6ヶ月は持続します。効果が固定してから治療するのはとても大変になりますので、治療効果に悩んだ場合には、できるだけ早く相談するようにしてください。早く治療を開始することで治療手段が増え、治療効果を高めることができます。

相談するのは治療を受けた医師でも、別な医師でも良いと思います。ただ、下に書きますが、トラブルに慣れていない医師やそもそもトラブル対処を積極的に行わずに経過観察だけを行うクリニックもありますので注意が必要です。

トラブル治療に慣れている医師に相談すること

ボトックス注射後の治療にはボトックスとは違った経験と、特殊な薬剤の準備が必要です。注射には動いている筋肉と止まってしまている筋肉の正しい評価とその部位へ注射する的確かつ高度な技術が必要です。また、使用する薬剤の中には取り扱いを間違えるとさらに大きなトラブルにつながってしまう可能性を持ったものもあります。

注射した医師以外に相談する場合、できるだけボトックス注射後のトラブル治療に慣れている医師やクリニックを受診することが大切です。トラブル治療の経験が豊富なクリニックでは、経験に基づいた適切なアドバイスや効果的な治療を安全に受けることが可能です。

キルシェクリニックができること

東京都港区赤坂にあるキルシェクリニックでは、ボトックス注射やヒアルロン酸注射後のトラブルで悩んでいる方を積極的に受け入れており、治療後トラブル相談外来を設置して当日の相談や治療にもできる限り対応しています。院長のDr.めかたは大手美容外科で院長を歴任してきており、小さな処置から大きな施術まで豊富な経験を持っており、トラブル対処にも多数の経験・実績がありますので、安心して相談することができます。

特にボトックス注射後のトラブル治療は相談件数が多く、1都3県のみならず関東全域から連日お客様が相談でお越しになっています。治療方法も5種類以上準備しており、症状や時期、ご希望に応じて適切な治療を行っており、その治療効果に驚かれる方も少なくありません。多くの方は治療を受けてよかったと喜んでお帰りになっています。

Dr.めかたは日本麻酔科学会専門医・指導医という最難関の上級資格も持っており、長年ペインクリニック外来で顔面の注射を行ってきていましたので、顔面の筋肉・神経・血管の構造や走行に精通しています。その知識・経験・技術を元にした細やかな注射方法は通常の治療とは一線を画すもので、より高い治療効果が得られています。救急センター長まで務めた経験もありますので、使用薬剤による喘息発作など万が一のトラブルにも適切な対処が可能なので安心です。

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