脂肪吸引は麻酔が命!

顔やカラダについた余分な脂肪が気になったとき、早く結果を出すことができる脂肪吸引という美容外科の施術。簡単に説明すると、1cmくらいだけ皮膚を切り、そこからストローのような細い管で脂肪を吸い出す施術です。効果は高いですがリスクも少なからず存在するので、治療を行うかどうかには慎重な判断が必要です。(脂肪吸引を受けるかどうか悩まれている方はこちらのコラムも参考にしてみてください。)

脂肪吸引を検討している方が実際に施術を受けるまでに悩まれるポイントがいくつかあるのですが、その中で大きなウェートを占める問題として「麻酔への不安」というものがあります。過去に脂肪吸引などの施術を受けて麻酔で大変な思いをされた方、初回の施術から麻酔への不安がある方など理由は様々ですが、脂肪吸引の施術において麻酔に注目するというのは、とても素晴らしい着眼点だと思います。

今回は脂肪吸引にとって、どうして麻酔がとても大切なのかを3つの理由とともに書いてみたいと思います。脂肪吸引は麻酔が命、このコラムを通して麻酔についての正しい知識を持つことで、安全・安心な脂肪吸引の施術が受けられるようになってください。

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1.施術中に体が動いている!?

脂肪吸引の施術を行う場合には、多くのクリニックで全身麻酔(静脈麻酔)と呼ばれる麻酔ガスや点滴からの眠ってしまうお薬を使用しています。施術部位によっては硬膜外麻酔という背中からの麻酔を併用しているクリニックもあります。局所麻酔だけで行っているクリニックもわずかながらあるようですが、部分的な脂肪吸引で範囲が狭く限定している場合が多いようです。局所麻酔で脂肪吸引を行うと痛みや刺激が大きくて大変などの問題がありますが、麻酔によって命に関わるケースはほとんどありませんので、安全に脂肪吸引を受けたいという目的はなんとか達することが可能ですが、もちろんあまり勧められる方法ではありません。楽な状態で施術を受けられる、というのが麻酔においては最低限必要でしょう。

では、全身麻酔や硬膜外麻酔で施術をしていれば安全・安心なのでしょうか。実は全身麻酔の質(技術の差)はかなり幅があり、本当に快適に受けられている麻酔もあれば、単に意識がないだけでカラダはとても大変な思いをしている麻酔もあるのです。快適な麻酔で施術を受けた場合にはグッスリと眠れて目覚めもスッキリ、施術後の痛みや吐き気、寒気なども最小限ですみますし、施術の仕上がりも美容外科医の技術がしっかりと反映されたものになります。逆に、単に寝ているだけの麻酔ではカラダ自体は強い痛みを感じていますので、施術中に痛みの刺激に反応して大きく動いている場合があります。大きくカラダが動いている状況の中で、美容外科医は果たして100%の技術で脂肪吸引を行うことは可能なのでしょうか。どれだけ高い技術を持っていても、麻酔が不十分でお客様が動いてしまっている状況では、その実力は発揮できません。そして、その動きを止めるためにどんどん麻酔薬や鎮痛薬を足していきますので、術後のお客様はフラフラで意識朦朧(もうろう)ということになってしまうわけです。

また硬膜外麻酔という背中からの麻酔は、脂肪吸引や豊胸などでの手術ストレスを少なくして術後の痛みも和らげてくれる良い麻酔なのですが、技術のない医師が行った場合には効果がないだけではなく、効果が全くない中での麻酔中の激痛、麻酔後の強い頭痛や吐き気などのトラブルが数多く起きていますし、命に関わる重大な事故も起きていますので注意が必要です。

私のもとには、施術中に激痛で目覚めたけれどそのまま手術を続行されて死ぬ思いをした、全く眠れなかったけれど何度お願いしても薬を足してくれずに大変だったなど、麻酔での残念な話がたくさん届きますので、美容外科では実際にどの程度の割合で技術的にしっかりとしている快適な麻酔が行われているかという部分には疑問が残ります。麻酔に対してもしっかりとした経験と資格を持った医師で受けることを意識してみて下さい。特に硬膜外麻酔は、技術のしっかりとしている日本麻酔科学会専門医もしくは指導医を持った医師以外からは受けない方が無難です。

2.事故の多くは麻酔が原因

一般的な医療において、麻酔が原因で命に関わるトラブルが起きるのは、飛行機が落ちるのと同じくらいの確率だと言われていますので、通常はほとんど考えなくても良い確率です。実際に命に関わっているケースは、麻酔よりも手術内容・治療内容そのものが原因の場合が圧倒的に多いのが医療の現状です。心電図や血圧などのモニター機器の普及、薬剤の進歩などによって、今の麻酔はとても安全になっているのです。

しかしながら美容外科だけを見てみると、重大事故の多くは麻酔で起きています。美容外科での治療も医療行為になりますので、一定確率で重篤な合併症が起きる場面があり、時に命に関わることもあります。それなのに医療行為が原因で起きている事故よりも、麻酔が原因で起きている事故の方が圧倒的に多いのです。これは果たしてなぜなのでしょうか。

美容外科で麻酔の重大事故が起きている多くの理由は、麻酔のトレーニングを十分に積んでいない美容外科医が自分たちで麻酔を行っているからだと考えられます。一般病院でも麻酔科医以外が麻酔を行うことがありますが、彼らの多くは麻酔科医の指導下で麻酔のトレーニングを受けてきています。美容外科領域には麻酔科指導医はもちろんのこと麻酔科専門医もほとんどいませんので、残念ながら麻酔を習う機会がありません。結果として見よう見まねだったり教科書を見ながら麻酔を行っている場合もあるようなのです。そのような指導体制のないクリニックでどれだけ経験を積んだとしても、一人前の技術は身につきません。適切な指導者のいない元でのトレーニングでは、結果が出ずにトラブルが起きる可能性が高いのは、スポーツの世界でもビジネスの世界でも医療の世界でも一緒なのです。

今の医師は卒業後2年間の研修が必要になっていますが、その研修ローテーションの中では麻酔科も必須になっていますので、全員麻酔科を1ヶ月以上研修しています。しかしながら1ヶ月程度の研修では最低限の技術も身に付きません。麻酔科は3年経ってはじめて1人で難しい症例を経験できる下積みが必要な診療科です。なぜならば、いざというときに緊急対応する能力が高く求められるからです。2、3年程度までの麻酔科経験のレベルで麻酔に自信が有ると謳っている医師には、特に注意が必要だと考えられます。

美容外科手術でのトラブルはいきなり命に関わる可能性は低く、修正することが可能な場合も少なくありませんが、麻酔のトラブルは一瞬で命に関わるという特殊性を持っていますので、その大きな違いを理解する必要があります。また、手術には手順書や標準的術式というものがあり、それぞれの医師のアレンジできる範囲は限られていますが、麻酔に関してはケースバイケースの判断が多く、経験値が麻酔の結果に大きく影響を及ぼします。時に医師の判断力が手術以上に高く求められる場面もありますので、美容外科の技術だけでなくしっかりとした麻酔を提供してくれるクリニックで治療を受けることをお勧めします。

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3.日帰り麻酔は難しい

美容外科での施術の多くは日帰りで行われています。脂肪吸引や豊胸であっても入院をすることはほとんどありません。ですが、施術中に眠らせる深さというのは入院する麻酔と同じレベルが必要とされるので、日帰り麻酔には比較的高い技術力が必要です。麻酔科医の中でも日帰り麻酔を専門として講演や実際の現場などで活躍している医師がいるくらいですので、上述したような経験値の浅い美容外科医が行う麻酔としては難しすぎると思われます。

帰りが意識朦朧(もうろう)としてフラフラしてた、頭痛と吐き気がひどかった、寒気がひどい中でガタガタ震えながら帰った、どう帰ったか全く覚えていないなどの訴えをお客様から聞くことがありますが、それらの多くは不適切な麻酔が原因だった可能性があります。

キルシェクリニックができること

東京都港区赤坂にあるキルシェクリニックでは、脂肪吸引に幅広く対応しています。太ももなどの大きな施術から、二の腕などの狭い部位まで全身対応しており、全国はもとより海外からも指名で施術にお越しになるお客様がいらっしゃいます。特にお顔の脂肪吸引では仕上がりが素晴らしいという評価が多く、同業者からの施術依頼も多数あるくらいの高い評価を受けています。値段的にも個人クリニックの利点を生かし格安で提供しています。

麻酔に関しては院長自身が厚生労働省認定麻酔科標榜医・日本麻酔科学会認定医・日本麻酔科学会専門医・日本麻酔科学会指導医のすべての資格を持っている日本唯一(当院調べ)の美容外科医であり、安全かつ安心して施術を受けられる環境を整えています。もちろん機器に関しても、アメリカ麻酔学会の推奨するモニタリング装置を有し、日本麻酔科学会の推奨する安全な麻酔のためのモニタリング指針をクリアしていますので安心です。クリニック自体も美容外科とともに麻酔科まで標榜できている数少ない施設です。

このようにキルシェクリニックでは安心して施術を受けていただける環境を整えており、実際に施術を受けた方からは施術だけではなく麻酔の高い評価もいただいておりますので、麻酔が不安な方はお気軽にご相談いただければと思います。

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