レーザーによるタトゥー除去で気になる3つの誤解

タトゥーがファッションの一つと認識されるようになって10年近く経過しますが、一般的にはまだまだ受け入れられていないようです。皆さんもご存知のようなプールや公衆浴場などの肌を露出する場面だけではなく、夏場などではタトゥーが露出している場合には飲食店の入店も断られる場合があります。日本の場合には海外とは違って刺青・入れ墨と呼ばれていた期間が長く、元々は罪人の印だったりアウトローの方々のサインとして使われていた経緯が長いことが、社会的な受け入れを難しくしている一因だと思われます。

最初は気に入っていたタトゥーも結婚や出産などライフスタイルの変化に伴って生活の足かせとなってしまい、いろいろな制限にストレスを感じられる方も多く、最終的には消してしまいたいという気持ちになるようです。特に、お子さんと一緒に楽しい時間を過ごす時と、社会人としての雇用の不安定さという部分が大きな問題になっています。

タトゥーを消そうと思うと、大きく分けて2つの方法に分けられます。レーザーで消す方法と切り取って縫う方法です。皮膚表面だけを削る方法などもありますが、傷が大きく目立つので一般的な方法としては普及していません。それぞれにメリットとデメリットがありますが、個人的な見解としてはレーザーによる治療にメリットが大きいと考えています。このあたりは、別なコラムでも詳しく説明していますので参考にしてみてください。

今回はタトゥーをレーザーで消したいと思った時に注意しなければならないクリニック選びのポイントについてまとめた見たいと思いますので、正しいクリニック選びをするための参考にしていただき、早くご家庭や職場での楽しい時間が過ごせるように頑張ってください。

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1.出血や白抜けしているのは合併症

直後の写真で赤い血が強くにじんでいたり、数ヶ月後の写真でレーザーを照射した部分の皮膚が白く抜けてしまっているものを見かけることが少なくありません。これらはある程度は仕方のない合併症なのですが、できるだけ避けるようにしなければなりません。出血が起きている場合にはケロイド化が高まる可能性があると判断できますし、一度白く抜けてしまうと回復までに数年を要するケースも少なくありません。

こういった写真を掲載していても出血や白抜けについてのコメントがない場合、できるだけ避けなければならない合併症だということを知らないもしくは隠している可能性があります。皮膚から出血している画像に対して効果が出ていますとコメントしている医師は、その知識量と技術の信頼性に疑問を感じざるを得ません。逆に出血や白抜けに対してコメントで合併症と言及している場合には、しっかりとした知識をもって誠実な診療をしているとも判断できます。

過ぎたるは及ばざるが如し

リスクを最小限にして効果を最大限にすることが医療の原則です。出力の調整ミスが、避けることのできる合併症を生んでいるのです。タトゥーの深さや色素の多さなどを正確に見極め、正しい出力設定をできるかどうかが治療の成否の大部分を決めます。

タトゥーのレーザー治療に関して言えば、効果を早く出したいがために出力を強くして合併症を生むようであれば、効果は少ないけれど合併症が出ていない方が何倍も良い結果です。なぜならばレーザーによるタトゥー治療を選ばれた方は、傷をできるだけ残さずに綺麗に直したいと選択された方だからです。

唯一の例外は早く直したい時

唯一の例外は、「リスクを背負ってでも、できるだけ早く直したい」とお客様が強く希望された場合です。その場合にはある程度の出血や白抜け、ケロイド化の合併症が出ることよりも早く消すことを優先させて治療していきます。

2.直後は薄くならない

タトゥーがレーザーで消えるメカニズムは、皮膚の新陳代謝ではほとんど消えていかない深い部分に入っている色素をレーザーの熱エネルギーで細かくしてあげて、マクロファージなどによる体内での吸収や、新陳代謝での排出を待つ治療です。レーザーによって色素が蒸発して消えてしまうわけではありません。

ですので、照射直後にいきなり色が消えてしまうわけではなく、徐々に数週間かけて色が薄くなっていきます。直後に白く変化するのは Immediate White Phenomenon(IWP)といわれる反応で、タトゥーの色が消えたわけではなく皮膚が白くなった結果としてその奥にあるタトゥーの色が見えづらくなったということなのです。もちろんタトゥーが消えていくためにはこのIWPが起きていることが大切です。

ですので、治療直後の画像を見て判断するべきことは「ちゃんと皮膚が白く反応しているかどうか」「出血が最小限になっているかどうか」「それらを医師がコメントで正しく説明できているかどうか」の3点になります。

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3.ピコレーザーは万能ではない

レーザーの治療にも使う器械が2種類あります。Qスイッチヤグ(Yag)レーザーとピコレーザーです。ピコレーザーはここ数年でメジャーになってきた最新機種で、ヤグレーザーは黒や赤のタトゥーが治療の主でカラフルなものには対応できなかったのですが、ピコレーザーはそれに対応できるということや、効果が高いため治療回数が少なくて済むという売りで、高額の治療にはなりますが一気に広がってきました。果たしてそれらは本当なのでしょうか。

治療回数は大して減っていない

治療回数が少なくなるという売りだったピコレーザーですが、実際に経過を見ていると必ずしもそうではないようです。ヤグレーザーの方が治療回数が少なくて済んでいる、もしくはほとんど回数に差のないケースも多く見られます。また、ひどいクリニックになると、黒単色のタトゥーに対して、ピコレーザーだけでは効果が期待できないので、ヤグレーザーを併用していますと説明しているクリニックがあります。本末転倒と言わざるを得ません。ピコレーザーよりもヤグレーザーの方が効果が高いのであれば、ヤグレーザーの治療だけでじゅうぶんです。

上にも書きましたが、正しい出力設定を行うことで最小限の合併症と最大限の効果を引き出すことが、タトゥーのレーザー治療では一番大切です。高価なピコレーザーを準備していたとしても、それを使いこなせていなければヤグレーザーを使いこなしている医師の結果に負けてしまいます。医師の経験による判断とセンスは機器選びよりも何倍も大切です。

最近はタトゥー除去が増えてきたので、タトゥー除去を売りにしているクリニックも急激に増えてきました。しっかりと対応しているクリニックもありますが、中には治療経験のほとんどない(全くない)医師が、ピコレーザーをメーカーが推奨している数値で照射しているだけというケースも見られますので注意が必要です。そんな簡単にタトゥー治療はできません。

カラーだけ最後に治療する

ピコレーザーの治療はヤグレーザーの治療と比べて高額です。機器の値段が5倍くらいしますので仕方がないことなのですが、できるだけ安く直したいという気持ちも大切だと思います。確かに黄色や水色などのカラフルな色はピコレーザーの方が消える可能性が高いですが、ヤグでも反応して消える黒や赤まで、本当にピコレーザーを使わなければいけないのでしょうか。

ヤグレーザーでも消すことができる部分に関してはヤグレーザーで安く治療してあげて、最後に残った消えづらい部分だけをピコレーザーで治療するもしくは切り取るという考え方が、一番格安で治療できる方法です。

キルシェクリニックができること

東京都港区赤坂にあるキルシェクリニックでは、ヤグレーザーによるタトゥー除去を積極的に行っています。タトゥー除去は医師としての社会奉仕の一環として考えておりますので値段も格安で提供しており、ピコレーザーを使用して10平方センチの1年間フリーパスが68,000円(税別)、その25平方センチの場合でも1年間のフリーパスが98,000円(税別)で治療可能です。定期的に2ヶ月の間隔で照射できた場合には6回〜7回の照射が可能ですので、 1回あたりはかなりお得な金額になると思います。首都圏以外の方が遠方から新幹線でお越し頂いたとしてもトータル金額が安くなるように価格を設定しておりますので、2ヶ月に1回東京に遊びにくる感覚で通院して頂いても良いと思います。

もちろん院長のめかた啓介医師は、勤務医時代からタトゥーのレーザー除去に積極的に取り組んできており、十分な経験と実績を持っています。麻酔についても笑気麻酔から全身麻酔まで対応できますので安心してご相談ください。

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