お顔のアンチェイジングなどで主に使われているヒアルロン酸。柔らかいものから硬いものまでたくさんの種類が存在し、部位と症状にあったヒアルロン酸を注入をすることで注入直後からお手軽にプラスの変化を出すことができる人気の治療です。
治療内容も値段も一般的なものになってチャレンジしやすい治療になってきた一方で、「気にいらないから溶かしたい」「失敗されたようだ」というご相談が増えてきています。今回はなぜこのような後悔する結果になってしまったのかということと、後悔した時に考えるべき3つのポイントについて書いてみたいと思います。
なぜ後悔する結果になってしまったのか?
理想と現実のギャップ
この中にも大きく2つの理由があります。1つは医師の説明不足、もう1つは患者さん自身の勘違いです。それぞれについて説明してきたいと思います。
まずは1つ目です。営利的側面が強いクリニックの場合、起きうる合併症や経過などについてあまり詳しく話さなかったり、患者さんが希望する治療が本当に必要なのかどうかの判断を正しく伝えなかったりする場合があります。そういった医師の説明不足によって予想外の(医学的には想定の範囲内なのですが)腫れや内出血、変化のイメージの違いなどが起きると、そのギャップに苦しむこととなります。
そしてもう1つ目。医師がどれだけ医学的知識をもとにして「この治療では希望の変化は出ませんよ」と説明しても聞いてくれない患者さんが少なからずいらっしゃいます。ベストと考える他の治療を提案しても、「私はこの治療でうまくいくと思う」「今日はどうしてもこの治療をやりたいから他は考えていない」など、医学的判断よりも患者さん自身の判断を優先させた結果、思い描いていたイメージを違うという相談を受ける場合があります。医師は長年の経験や医学的知識をもとにアドバイスをしていますので、イメージ通りにいかないのも仕方ありません。
営利的側面から別の治療を提案しているのか、医学的判断で別の治療を提案しているのかを判断するのは難しいですが、カウンセリングを通して見極めることが大切です。別な治療の提案をクリニックから受けた時に営利的側面を強く感じた場合には、治療自体を見送ることも検討することが必要です。
判断する時期の誤り
治療直後から効果を感じることができるのがヒアルロン酸のメリットですが、ヒアルロン酸の粒子自体は1週間ほどかけて水分を吸ってボリュームが落ち着きます。また、針を刺した直後は腫れや内出血なども少なからずありますので、直後の見た目が満足できないものだったとしても、1週間程度待つことでご希望の結果に変化していくことはじゅうぶん考えられます。
1.まずは1週間待ってみる
上記の通り、最初の頃は内出血や腫れがありヒアルロン酸自体も水分を吸って徐々に変化していきますので、治療から1週間以内に最終的な判断をすることはできれば避けてください。1週間経過しても満足いく結果にならなかった場合には、以下のような治療を検討していきます。
2.マッサージしてみる
少し凹凸がある、少し量が多いなどの場合にはマッサージしてあげることで解決する場合があります。指の腹を使って優しく1分くらいマッサージしてあげてください。5回くらいやってみても効果がなかった場合にはそれ以上の変化は期待できません。少し変化が出てきてイメージに近づいてきた場合にはもう少し繰り返してあげると良いと思います。マッサージによって広がったヒアルロン酸は元に戻すことができませんので、やりすぎるのではなくある程度のところでやめておくのが良いでしょう。
また、長期的にマッサージしてあげると吸収が早まりますので、早く吸収させたい場合には毎日定期的にマッサージしてみてください。1ヶ月から2ヶ月くらいでほとんど目立たなくなる場合も多いです。マッサージと同様の効果が得られるものとして、ヒーライトなどがあります。これらは特定の波長のLEDを照射することでお顔に強力な熱を加える治療で10分程度でリスクなく行うことができますので、より早く吸収させたい人は検討すると良いでしょう。
3.ヒアルロン酸を溶かす
ヒアルロニダーゼと呼ばれる注射をすることで、ヒアルロン酸を溶かすことが可能です。ヒアルロニダーゼは48時間経過しても半分くらい溶かす力が残っていますので、1回溶かしたら最低でも2週間は同じ部位へのヒアルロン酸の再注入を控える必要があります。早い時期に再注入しても残っているヒアルロニダーゼと反応して溶けてしまう可能性があります。
また、ヒアルロニダーゼ注射は強いアレルギー反応を起こすことがあるリスクのある処置ですので安易には選ばず最終手段として考えてください。アレルギー反応が強く起きた場合には高度な救命措置が必要になる場合もあり、ときに入院が必要になります。このアレルギー反応を防ぐことはできませんが、できる対処法としては救急対応に経験のある医師を選ぶことと、アレルギー反応の少ないヒアルロン酸溶解注射(ヒレネックスなど)を選んで注射することの2つがあります。
アレルギー反応が起きるかどうかの確認で事前テスト(皮内テスト)を行うのは全く意味がありません。事前テストに使われる少量投与だけでも強いアレルギー反応が起きる場合がありますので、事前テストは行わずに少量ずつ様子を見ながら注入すること、そして注入後にしばらく様子を見ることが正解です。事前テストの必要性を話すクリニックの医師は救命救急に対する知識が不十分の可能性がありますので、治療を受けるか慎重に判断してください。
キルシェクリニックができること
東京都港区赤坂にあるキルシェクリニックでは、ヒアルロン酸の処置だけではなくヒアルロン酸治療後の溶かす治療も行っています。治療後に困っている方を救済するのは医師としての社会的使命と考えており、できるだけ安価に提供するように心がけていますので必要な時には相談してください。
ヒーライトも導入していて好評を博しています。1回5,800円(税別)というチャレンジしやすい価格設定としています。
また、総院長は厚生労働省認定麻酔科標榜医・日本麻酔科学会認定医・日本麻酔科学会専門医・日本麻酔科学会指導医の資格を持ち、高度救命救急センターでの勤務経験や麻酔救急科部長、救急センター長なども務めてきていますので、万が一のアレルギーの際にも安心です。